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「花と蛇」への主演を皮切りに、大人の女のゴージャスな愛を表現するなど新境地を切り開いた女優・杉本彩。4月29日公開の「Blood ブラッド」 では、魅惑的な女バンパイアという役どころに独自の世界観を投影させた。それは観る者に衝撃を与えるほど美しく、官能的な世界。気風の良い姉キャラを時折見せる彼女だが、演技者としての世界観は決してブレない。そんな杉本彩ワールドにenvy(エンビー)が迫った。 |
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――これまでのバンパイア映画は男バンパイアが女性を襲うというパターンが多かった。杉本さんは今作でそんな概念を壊しましたね。 杉本彩:新しいことに挑戦するのが好きなんです。私が演じたバンパイアの美夜子は、男性に崇拝されて求められる絶対的な存在。決して男性と同じ土俵に下りていって闘ったりしない、あくまでも男性の上にいて男性を支配するシンボルとして存在するっていうことに非常にこだわりました。 ――顔の表情や声の美しさが印象的でした。 杉本彩:あまりベラベラ話さないシーンでは、目の動き、声のトーン、体の動きが1つのキャラクターを創り上げるという意識があります。特に目の動きというのは何かを表現するために1番重要だと思います。 |
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――女性の視線は意識されましたか? 杉本彩:普段からあまり男性向け、女性向けという風に分けてはいないんですね。私の中に2つの性が存在しているというか、2つの視点を持っていると思うので、完全には分け切れない。ただ、今回のような作品は、ビジュアルがとても大切で、そういう面では女性の方が敏感だと思います。バンパイア特有のゴシックファッションなど、ビジュアル的な美しさをおろそかにしないよう力を入れました。 |
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「Blood ブラッド」では、生命の危機にさらされた男が、杉本彩扮する不老不死の女バンパイアに生き血を飲まされ、血を吸われることによって永遠の命を手に入れる。女バンパイアを演じるにあたって杉本彩は、獣になることを望んだ。 |
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――女バンパイア=獣という発想はどこから生まれたのですか? 杉本彩:バンパイアの吸血という行為は男女のセックスに通じるものがあるなと思っていました。吸血をしながら生きるバンパイアに非常に官能的なものを感じていたんです。人間の姿をしているけれども、血を吸って生きる獣。以前からそんな怪しい存在をいつか演じたいと考えていました。 |
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――吸血シーンは本当に美しく官能的でした。 杉本彩:セックスを極めていくと「魂と魂を交換するような感覚」に襲われますよね(笑)。女バンパイアが人間の男性の血を吸うことによって、自分の中の生命がメラメラ沸き立つような喜びを感じる……そんな極限のセックスに似た快楽と美しさを表現したのが今回の吸血シーンだと思います。だから必然的に美しく官能的でなければならなかったんです。 |
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――今作では男性を支配する役どころでしたが、私生活ではどうですか? 杉本彩:支配させてあげるタイプ(笑)。支配されるのは嫌なんですよね、やっぱり。だからといって、支配するのが好きなわけでもない。支配させてあげるんです。「支配している」という錯覚を男性に与えれば、自分も心地良いんです。 ――バンパイアのような永遠の命を与えられたらどんな恋愛をしますか? 杉本彩:悲しいですね。パートナーだけ年老いていくのは。共に年を重ねるから恋愛って素敵で、同じ喜びや苦しみを分かち合うことで愛を育むことができる。もし本当に永遠の命を与えられたら、もう恋愛とかじゃないと思います(笑)。その時代、その時代の不遇な男たちを救うという、もっと大きな使命を感じるかも。 夢に向かって頑張っているのに、不器用で立ち回りの下手な、実力があるのに社会と人の間で苦しんでいるイイ男を救いたいですね。 |
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――恋愛面で若い頃との圧倒的な違いはありますか? 杉本彩:かつては、理想と現実のギャップに苦しみながら、私本来の姿は何?とか、自分は何を求めているんだろうって、なかなか答えが見出せなかったんです。でも、今はいくつかの恋愛を経験して、どうすれば自分が心地よさを感じるのか、だいぶ分かるようになってきました。どんなカタチであろうと、自分が納得していれば、たとえ人に理解されなくてもいいんです。年齢を重ねて内面的な強さに磨きがかかりました。 |
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――今後、結婚のご予定は? 杉本彩:一般的に多くの女性が求める幸せのカタチを、私はまったく求めていないんですね。私もやっぱり1度は人並みに結婚していて、若い頃は自分にとって結婚は必要じゃないということに気づいていなかった。結婚生活に身を置いたとき、初めてその息苦しさを味わって、「あぁやっぱり私の人生に結婚は必要なかったわ」っていう答えが出ているので。でも、結婚と離婚の経験なくして、今の自分が到達した、本当の幸せとは何かを見出すことは難しかったでしょうね。 |
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映画「Blood ブラッド」で、魅惑的でバランスのとれた美しい裸体を惜しみなく披露した杉本彩。40を超えてもなお妖艶な美しさを維持し続ける彼女のスタイルキープの秘訣は、お馴染みのダンスをベースに、定期的に行うストレッチや加圧トレーニング、さらに最近では整体も採り入れ、「もはや治療ですね(笑)」。ただ、確実にやってくるエイジングと向き合いながら美しさをキープする上で「骨格や筋肉を根本から変え、整えることが大切だと思う」 と語る。ちなみに整体治療は月に2~3回のペースで通っているとか。 |