俳優、タレント、ミュージシャン……多彩な才能でファンを魅了する武田真治さん。9月26日公開の主演映画「今日からヒットマン」では、テーマ曲の制作も手がけるなど相変わらずの多才ぶりを発揮している。今週のenvy(エンビー)は、そんな武田真治さんを直撃インタビュー! |
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――中堅サラリーマンとヒットマンという2つの顔を演じるに当たって、苦労したことは? 武田真治:僕は不器用で、演じる時に気持ちの切り替えが全くできないたちなんですね。ただ、キャリアを重ねていくうちに、下準備をしっかりすれば、うまくできないことへのストレスを軽減できることが分かってきました。 ――今回の映画の下準備は? 武田真治:脚本作りに携わることです。何を表現するべきかを、製作の中枢にいるスタッフたちと話し合う。そうすることで、現場では演じさえすればいい。だから今回は脚本作りに携わることに1番力を入れました。 ――原作は読みましたか? 武田真治:はい。暴力とお色気という非日常にまみれていて(笑)、読み始めたら止まらなくなりました。こんな面白い作品を映像化するのだから、その世界観を崩さないように、スタッフたちとかなり話し合いました。 ――今回は主演だけではなく、素晴らしくかっこいいテーマ曲「THE HITMAN」の作曲や演奏も手がけています。 武田真治:映画作りにおいて自分が担うべき仕事の量や範囲が、年齢を重ねるにしたがって変わってきたということを今回とても実感できましたね。 ――今作の見所は? 武田真治:世の中のほとんどの人はサラリーマンですよね。そういうどこにでもいる職業の男が活躍するって、夢がありません? 主人公のサラリーマンが追い詰められたときにとる行動の1つひとつに注目して、この映画を観ていただけたら楽しめると思います。 原作は累計150万部を突破した、むとうひろしの同名コミック。日本文芸社の「週刊漫画ゴラク」に連載中の人気アクション漫画で、随所に盛り込まれた“エロ”が作品のスパイスに。現実にありそうでない非日常とスリルが味わえる。好奇心旺盛なアラサー女子必読の作品だ。
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平凡なサラリーマンがある日突然“殺し屋”に!? 美人の妻を持ち、念願のマイホームを購入したばかりの平凡なサラリーマン、稲葉十吉34歳。一部上場の食品商社に勤め、得意の話術で数々のトラブルを切り抜けてきた営業マンだ。ある日、いつものように部下の尻拭いを済ませた十吉は、帰り道に飲酒運転をして事故を起こす。車の外に出ると、目の前に銃を持った男が!? 男は殺し屋“二丁”と名乗り、一方的に“殺しの心得”を語ると、十吉に「標的を殺して自分の女(ちなつ)を助け出す」という仕事を託して死んでしまった。しかも、任務を無事完了させなければ、二丁が所属していた「コンビニ」という24時間営業の裏組織に、愛する妻共々殺されてしまうという最悪の条件付き。 ところが十吉は偶然にも、あっさり任務をクリアしてしまう――。こうして十吉は、営業マンの仕事と、伝説のヒットマンとして裏の仕事をこなす、ダブルライフを送るハメに。新婚生活は早くも破綻か…。 |
――主人公は幸せな生活を守るために翻弄されますが、武田さん自身にとっての“幸せ”とは?
武田真治:自分の仕事に退屈しないことでしょうね。スーパーヒーローになったみたいに、自分の仕事を楽しめたら最高です。過程だけではなくて、結果にも満足できる、みたいな。自分が作った音楽がかっこいいとか、バラエティ番組で面白い話ができたとか、そう思えることも僕にとっての幸せです。
――キーワードは「楽しい」?
武田真治:「ノリノリ♪」で楽しいことばかりではなく、時には歯を食いしばってがんばらなくてはいけないときもありますよね。今回の映画でも、昼夜を問わない、長時間に及ぶ打ち合わせや撮影は結構辛かった。でも、その過程は大変だけど、作品が完成した後に楽しかったと思えるようになる。
――武田真治さんにとって大変な時期を乗り切らせてくれるものは?
武田真治:やっぱり納得のいく結果を出したい、っていう思いですよね。舞台なら舞台、音楽なら音楽……何でもいいんですよ。とにかく納得のいく結果を追い求めている、ただそれだけです。
――ありがとうございました。
1972年北海道生まれ。89年、高校在学時に「第2回 JUNON スーパーボーイ・コンテスト」でグランプリを受賞。翌年テレビドラマ「なかよし」で俳優デビューし、92年に映画「七人のおたく」出演。95年にはシングル「Blow up」で歌手デビューを果たした。その後も映画や舞台、バラエティー、ラジオ、CM、音楽など、幅広い分野で活躍している。
撮影:笹野忠和(BLiX)