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シューマンとブラームス 2人の天才に愛された女神 Clara Schumann クララ・シューマン/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)
映画「ロベルト・シューマン 愛の協奏曲」ロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームス、2人の天才に愛された女神クララ・シューマン/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)
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19世紀ヨーロッパが生んだ偉大な作曲家シューマンとブラームス。この2人の天才が同時に愛してやまなかった女性がいた。彼女の名はクララ・シューマン。シューマンの妻であり、自身も才能あふれる音楽家だった。7月25日公開の映画「クララ・シーマン 愛の協奏曲」はそんな彼女の生涯を描いた作品。メガホンをとったヘルマ・サンダース=ブラームス監督へのインタビューを交えながら、この美し過ぎるラブストーリーをお愉しみあれ♪

妻として、母として、女性として 複雑な人間模様のなか変質化する愛の形/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)
映画「ロベルト・シューマン 愛の協奏曲」ロベルト・シューマンとクララ・シューマン/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

山あり谷あり、時には憎悪も……
それでも支え続けたロベルト・シューマンとの愛

19世紀半ば、ロベルト・シューマンとその妻でピアニストのクララは、共にヨーロッパツアーを回りながら家計を切り盛りする毎日を送っていた。特にクララは、ピアニストとして活躍しながら、7人の子供を育てるという忙しさ。それでも美しく、聡明さを忘れないクララをロベルトは溺愛していた。やがてロベルトが交響楽団の音楽監督に就任し、家政婦と料理人付きの大豪邸に住むことに。家事から解放されたクララが幸福を感じたのも束の間、ロベルトは頭痛を訴え始め、アルコールや薬物に依存するようになっていく。次第に狂気をはらんでいくロベルト……。作曲家としての彼の才能を高く評価するクララはそれでも献身的にロベルトを支え続けた。

映画「ロベルト・シューマン 愛の協奏曲」ヨハネス・ブラームスとクララ・シューマン/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

クララに一目惚れした若き天才 ブラームス
無償の愛を生涯捧げることに

弱冠二十歳ながら新進の作曲家として売り出し中だったヨハネス・ブラームスは、ハンブルクのコンサートで演奏するクララに魅せられる。ブラームスは、クララのために曲を作り、シューマン邸を訪問。夫妻に才能を認められ、一時的に居候することになる。年齢は14歳も上だったが、ブラームスのクララへ思いは、紛れもなく「愛」だった。日常生活の苦労が絶えないクララにとって、陽気にラブコールし続けるブラームスは、次第に「太陽」のような存在となっていく。ロベルトは親密な関係の2人に嫉妬するが、唯一の芸術的理解者であるブラームスへの信頼も厚く、相反する2つの感情と葛藤しながらやがて病に屈する。その後ブラームスは遠く離れた場所から無償の愛でクララを支え続けるが、彼女の死から1年後、後を追うように……。

7月25日(土) Bunkamuraル・シネマほか 全国順次ロードショー/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)豪華キャストが演じる/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

クララの生涯はこれまでも映画やテレビなどで作品化され、キャサリン・へプバーンやナスターシャ・キンスキーといった大物が演じてきた。今回は、オスカー女優のマルティナ・ゲデックが官能的にクララを熱演。また、名優パスカル・グレゴリーが澄み切った瞳に天才の狂気を宿してロベルト・シューマンに扮した。「一日中、昼も夜もあなたを想います」とクララへの愛を捧げるヨハネス・ブラームスは、“美青年”マリック・ジディが起用された。「クララ・シーマン 愛の協奏曲」は、こんな豪華キャストによる3人が織りなす感動と衝撃のラブストーリー。最愛の夫亡き後にクララが見出した幸福とは?

映画「ロベルト・シューマン 愛の協奏曲」ロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームス、2人の天才に愛された女神クララ・シューマン/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)2人の天才が クララに宛てたラブレター/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

映画「ロベルト・シューマン 愛の協奏曲」ロベルト・シューマン/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

ロベルト・シューマン
ああ、私のクララ、私は君を愛していた。私は君を愛している。そして私は君を永遠に愛すだろう。ああ、とても激しく。【婚約中のクララに】

映画「ロベルト・シューマン 愛の協奏曲」ヨハネス・ブラームス/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

ブラームス
わが愛するクララ。言葉にできないほど、あなたが限りなくいとしい。あなたからの手紙は私にとってはキスと同じだ。【ロベルトが亡くなる直前に】

映画「ロベルト・シューマン 愛の協奏曲」ロベルト・シューマンとヨハネス・ブラームス、2人の天才に愛された女神クララ・シューマン/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

クララ・シューマン 愛の協奏曲
2009年7月25日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー
監督・脚本:ヘルマ・サンダース=ブラームス
出演:マルティナ・ゲデック、パスカル・グレゴリー、マリック・ジディ
上映時間:1時間49分
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
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クララ・シューマンは吸血鬼!?/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

映画「ロベルト・シューマン 愛の協奏曲」のヘルマ・サンダース=ブラームス監督/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)――事実に対して監督なりの脚色はされましたか?

監督:基本的には私の推測を映像化するのは避けました。映画化するまでの12年間にいろいろな伝記を読み、見つけられた歴史的な資料の全てに目を通しましたが、それを書いた人の主観などを考えると、今作はドキュメント映画ではありませんね。

――キャスティングはバッチリでしたね。

監督:3人とも本当に素晴らしい役者だと思います。一般的な作品の撮り方ではないというところに、大きな興味を持ってくれましたし、それぞれが魔法のような魅力を持っています。

――実際のクララはどのような女性だったと思いますか?

監督:何かの犠牲になるタイプではなく、成功を収めた女性だと思います。成功にはもちろん代償もありましたけれども、素晴らしい夫や子供たちがいて、もう1人の若き男性からもアプローチされ、社会的にも認められていました。

――羨ましい限りですね。

監督:ある意味、クララは女王様。悪い言い方をすれば、吸血鬼です。つまり最初はロベルトの真髄を全て吸い取って、彼が亡くなったらヨハネスの血を吸った(笑)。でも、見方を変えると、ロベルトという作曲家をさらに成長させ、ブラームスという作曲家を作り上げた女性だったとも考えられます。たぶん彼女がいなければ、2人の天才は存在しなかったと思います。

――ロベルトはなぜクララに惹かれたのでしょう?

監督:おそらくロベルトは、クララが自分の作品を最も適切に演奏する人間であるという面を愛したのではないでしょうか。しかし、クララが演奏するたびに、作品を奪い取られているとも感じていたと思います。

――ヨハネス・ブラームスは?

監督:彼のクララに対する愛情は計り知れない。でも、ヨハネス・ブラームスはクララに依存する状態にはなりたくなかった。だからある程度距離を置かなければいけないと知っていました。ラストシーンでヨハネスの作品をクララが演奏する際に彼が少しひげを生やしているのに気づきましたか? あれは、クララから自分を守らなければいけないという彼の意思を表現しています。

ヘルマ・サンダース=ブラームス/エンビー(envy:女性の魅力を創造するインターネット情報マガジン)

1940年ドイツ生まれ。ヨハネス・ブラームスの叔父からなるブラームス家の末裔。映画監督としては、「ドイツ・青ざめた母」(1980)が各国の映画祭で観客賞を受賞した。その他、「エミリーの未来」(84)、「林檎の木」(92)などを手がけた。

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